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不動産投資はリスクしかない?失敗しないためのリスク回避法を解説

不動産投資はリスクしかない?失敗しないためのリスク回避法を解説

不動産投資のリスクについてお伝えします。

不動産投資はリスクが高いイメージがあるため、割りに合わないと感じる方も少なくありません。

しかし不動産投資のリスクは想定しやすいため、事前に対策を講じることで、リスクを抑えることも可能です。

不動産投資のリスクについて、失敗しないための回避法と一緒に詳しく紹介します。

目次

不動産投資はリスクしかない?割りに合わない?

不動産投資には、特有のリスクが複数あります。

所有する物件の空室により家賃収入が得られないリスクや、老朽化に伴い修繕費が必要になるリスクなど、さまざまです。

多額な初期費用が必要なため、ローンを組んだり、リターンを得るまでに時間がかかったり、不動産投資で利益を得るには、コストや時間がかかります。

初期費用の他にも、物件の管理や維持にかかる修繕費、税金、委託費などのコストがかかるため、必要なコストを差し引くと、利益が思っていたよりも少額になる可能性もあるでしょう。

そのため、不動産投資は割りに合わないと感じる方も少なくありません。

リスクを負いたくない人や、短期間で大きなリターンを得たい人にとっては、不動産投資は不向きな投資方法だと言えるでしょう。

しかし、不動産投資のリスクは想定しやすいという特徴があります。

ある程度のリスクを把握できるため、事前に対策を講じることで、リスク回避や成功率アップも期待できるでしょう。

また不動産投資には、安定した家賃収入が期待できたり、インフレ対策になったりなどのメリットがあります。

不動産投資の主な収益は家賃収入のため、運用次第では、長期的に安定した収入が期待できるでしょう。

インフレではお金の価値は下がりますが、現物資産である不動産の価値は上がる傾向があります。

インフレに強い現物資産への投資であるため、インフレ対策としても不動産投資は有効な手段のひとつです。

節税効果や万が一の場合に、家族に無借金の不動産を残すことも可能

不動産投資には特有のリスクが複数存在しますが、さまざまなメリットもあります。

不動産投資における8つのリスク一覧

リスクの種類特徴対策
空室リスク・家賃収入が得られない
・入居者が見つからない
・賃貸ニーズが低い
・利便性が低い
・設備が古い
・相場より家賃が高い
・人気エリアの物件
・好立地の物件
・1人~2人向けの間取り
・入居者募集に強い賃貸管理会社に依頼
・サブリース契約
修繕リスク・物件の経年劣化や老朽化
・エアコンや給湯器などの設備の買い替え
・入退去の原状回復
・資金不足に陥る可能性
・修繕費を計画的に積み立てる
・新築物件を選ぶ
金利上昇リスク・不動産投資ローンの支払額が増える
・利益が圧迫される
・赤字が拡大
・頭金を入れて総支払額を減らす
・繰り上げ返済を検討する
・固定金利を選択する
家賃滞納リスク・家賃を回収できない
・収入が得られない
・家賃滞納トラブルに強い賃貸管理会社に依頼
・入居審査を厳しくする
・連帯保証人の義務付け
・リスクの高い入居者を防ぐ
・家賃保証を利用
災害リスク・地震や火災、台風、水災、風災
・建物の倒壊や破損
・火災保険、地震保険に加入
・地震に強い設計、地域の物件を選ぶ
・耐震補強
倒産リスク・賃貸管理会社の倒産
・家賃が回収できない
・新たな賃貸管理会社を探す手間がかかる
・実績豊富な信頼できる賃貸管理会社に依頼する
・倒産リスクが低い賃貸管理会社を選ぶ
・契約条件の確認
家賃下落リスク・入居者が見つからない
・家賃収入が減少
・周辺の競合物件
・新しい設備に取り替える
・リノベーション
・リフォーム
・需要が維持できる物件
不動産価値の下落リスク・賃貸ニーズが低い
・入居者が見つからない
・土地価格の下落
・不景気、事故、事件
・老朽化
・周辺の競合物件
・賃貸需要が高い物件
・将来的に安定した収益が期待できる物件

不動産投資におけるリスクは、以下の8つです。

  • 空室リスク
  • 修繕リスク
  • 金利上昇リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 災害リスク
  • 倒産リスク
  • 家賃下落リスク
  • 不動産価値の下落リスク

それぞれ詳しく解説します。

空室リスク

空室リスクは、不動産投資における最大のリスクです。

不動産投資の主な収益は、家賃収入。

不動産投資は、家賃収入による安定した収益が期待できる一方で、入居者が決まらなかったり、退去したり、空室では家賃収入が得られません。

また不動産投資ローンを組んで物件を購入した場合、ローン返済額を本業の給料や貯蓄などの自己資金で賄う必要があります。

空室が続くとマイナスが膨らみ、破綻につながる恐れもあるため、注意が必要です。

気エリアや好立地で需要が高い物件を選んだり、入居者募集に強い賃貸管理会社に依頼したりすることで、空室リスク回避が期待できるでしょう。

空室でも家賃が支払われる仕組みのサブリース契約を利用して、空室リスクに備えることも可能です。

修繕リスク

修繕リスクとは、物件の老朽化に伴う修繕や、設備の買い替えなどの費用が発生するリスクです。

外壁や屋根の塗装、廊下、エントランス、配管の交換、入退去時の原状回復、設備の取り替えなど、物件の経年劣化によりさまざまな修繕費が必要です。

経年劣化以外にも、災害により被害を受けて補修が必要になるケースもあります。

そのため修繕に備えた費用をあらかじめ準備しておくことが重要。

資金不足に陥らないためにも、計画的に積み立てる必要があります。

修繕リスクは、不動産投資において避けられないリスクのひとつのため、あらかじめ備えておくと安心です。

金利上昇リスク

金利上昇リスクとは、金利が上昇することで、不動産投資ローンの返済額が増えるリスクを指します。

利益が圧迫されたり、マイナスが拡大したり、返済が長期に及ぶ場合は、特に注意が必要です。

しかし、金利が上昇したからといって、すぐに返済額に影響があるとは限りません。

返済額の見直しは5年ごとの「5年ルール」や、前回の返済額の125%までしか上昇しない「125%ルール」などが適用されます。

また、金融機関から融資を受ける際に、頭金を多く入れて融資額を減らしたり、固定金利を選択したりなどの方法で、金利上昇リスクに備えることも可能です。

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクは、入居者から家賃を回収できないリスクです。

支払い忘れのケースがほとんどですが、家賃滞納が続くと家賃収入の減少やゼロになる可能性もあります。

物件の管理を賃貸管理会社に委託する場合は、家賃滞納トラブル時の対応についてしっかり確認することが重要です。

家賃滞納トラブルは、入居審査のハードルを上げたり、連帯保証人を義務付けたり、リスクの高い入居者を防ぐことで、リスク回避が期待できるでしょう。

家賃滞納時に家賃保証会社が弁済してくれる家賃保証サービスを利用するのも、リスク回避法のひとつです。

災害リスク

地震や火災、台風、水災、風災などの災害リスクも想定されます。

さまざまな災害により、建物の倒壊や損傷などの被害を受ける可能性があります。

地震大国とも呼ばれる日本では、ゼロにはできないリスクと言えるでしょう。

リスクをゼロにすることは不可能ですが、災害に備えてダメージを軽減させることは可能です。

地震への備えでは、新耐震基準が適用されている物件を選んだり、ハザードマップで地域の地盤を確認したり、地震に強い物件や地域を選ぶことで、リスク軽減が期待できます。

新耐震基準の物件は、震度6強〜震度7程度の地震に耐えられるように設計されているため、安心感があるでしょう。

火災保険や地震保険への加入や耐震補強工事、災害の影響を受けにくい物件やエリアを選ぶことで、災害リスク回避が期待できます。

倒産リスク

賃貸管理会社の倒産により、家賃が回収できないリスクもあります。

賃貸管理会社を選ぶ際には、倒産リスクが低く、実績豊富で信頼できる賃貸管理会社に依頼することが重要です。

家賃下落リスク

不動産投資では、運用開始からずっと同じ金額の家賃収入が得られるとは限りません。

物件の老朽化や入居者ニーズの変化、需要の低下、土地価格の下落、競合相手の出現、周辺環境の変化など、さまざまな要因によって、家賃が下落する可能性があります。

家賃下落リスクには、設備の買い替えやリノベーション、入居者条件の緩和など、需要が維持できる魅力的な物件にすることが重要です。

工夫しながら最小限のコストで、魅力的な部屋作りをするのがポイント。

新築物件をできるだけ購入して高い利回りを確保したり、家賃の下落幅が緩やかな中古物件を選んだりすることで、家賃下落リスクの回避が期待できるでしょう。

不動産価値の下落リスク

土地価格の下落や不景気、事故、事件、老朽化、需要の低下など、さまざまな要因で不動産価値が下落する可能性があります。

賃貸需要が低いと、不動産価値は下落します。

一方で、築年数が経過しても賃貸需要が高い物件は、資産価値が維持される傾向があります。

不動産価値の下落により、希望する価格で売却できずに損失を被る可能性もあるため、注意しましょう。

競合相手の有無によっても、資産価値は左右されます。

将来的にも、安定した収益が見込まれる物件を選ぶことが重要。

比較的下落幅が緩やかな中古物件を選んだり、不動産価値が下落しにくい地域を選んだりすることで、リスク回避が期待できます。

不動産価値については、地域情報を熟知している信頼できる不動産会社に相談するのがおすすめです。

不動産投資は他の投資に比べてリスクは高い?

不動産投資は他の投資と比較して、特にリスクが高いとは言えません

不動産投資に限らず、他の投資にもリスクは伴います。

株式投資やFX、仮想通貨では、将来の株価や通貨価値を的中させることは非常に困難で、価格変動が激しいという特徴があります。

経済状況やニュースの影響によって、価格が急激に上下するため、メンタル面での負担も大きいでしょう。

急な価格変動により、短期間で大きな損失を被ることも珍しくありません。

また投資先の経営破綻により、株式の価値がゼロになる可能性もあります。

不動産投資では、急な家賃の変動が起こりにくいため、将来期の収益が分かりやすいという特徴があります。

株式投資と比較すると、不景気による変動幅も狭くリスクを想定しやすいため、事前の対策が可能。

現物資産への投資のため、物件価格の急激な変動やゼロになる可能性はほぼありません。

不動産投資の失敗リスクを回避する方法

不動産投資の失敗リスクを回避する方法は、以下の通りです。

  • 不動産投資についての知識を深める
  • 高い需要が見込まれる物件を選ぶ
  • 収入と支出のバランスをシミュレーションする
  • 信頼できる不動産会社に依頼する
  • 自己資金を準備する

それぞれ詳しく解説します。

不動産投資についての知識を深める

不動産投資についての知識を深めることも重要です。

賃貸管理会社に物件の管理を委託できますが、自分でもしっかり勉強することで、さまざまなリスク回避につながります

リスクについてよく理解することで、リスク回避やダメージの軽減が期待できるでしょう。

知識不足により、不動産投資詐欺に遭ったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性があるため、不動産投資の知識を身につけることが大切です。

不動産投資には必ずリスクが伴い、ゼロにすることは不可能です。

不動産投資関連の書籍や動画、セミナー、コミュニティへの参加など、自分に合った方法で学習するとよいでしょう。

高い需要が見込まれる物件を選ぶ

人気のエリアや利便性が高い立地など、将来的にも高い需要が見込める物件を選びましょう。

物件を選ぶ際には現地まで足を運び、物件の立地や近隣エリア、地域の情報などを自分でリサーチすることが重要

物件周辺にスーパーマーケットやコンビニ、病院、駅、バス停、商業施設などがあると、利便性が高いため、入居者が決まりやすい傾向があります。

地方では、少子高齢化により過疎化が進んでいる地域も多いため、入居付けが困難なケースがある一方で、東京や大阪などの大都市圏では、人口が増加しているエリアもあり、都市部の人口集中が加速している傾向があります。

周辺施設が充実していたり、都市部の人口が増加していたりなどのポイントを押さえて高い需要が見込める物件を選ぶとよいでしょう。

収入と支出のバランスをシミュレーションする

収益シミュレーションで、収入と支出のバランスをしっかり確認しましょう。

想定される家賃収入、エアコンや給湯器などの設備買い替えコスト、修繕積立金、管理費など、考えられるリスクを見込んでシミュレーションします。

ある程度のリスクを見込んでシミュレーションできるため、資金計画の見通しも立てやすくなります。

信頼できる賃貸管理会社に依頼する

信頼できる賃貸管理会社に依頼することで、さまざまなリスク回避が期待できます。

入居者募集や契約業務、物件の管理、家賃管理、修繕、トラブル対応など、安心して任せられる実績豊富な賃貸管理会社を選びましょう。

入居付けに強い賃貸管理会社を選ぶことで、空室リスクの低減や成功率アップにもつながります。

自己資金を準備する

不動産投資では、急な出費にも対応できるように、自己資金を準備しておくと安心です。

自己資金を準備していないと、万が一の場合に資金不足に陥る可能性があるため、注意しましょう。

不動産投資には、不動産取得税や登録免許税、印紙税、固定資産税、都市計画税、所得税、住民税などの税金や、修繕費積立、管理費、入退去時の原状回復費、広告宣伝費、設備費、不動産ローンの返済など、さまざまなコストが必要です。

不動産投資のリスクに関するよくある質問

不動産投資のリスクに関するよくある質問を紹介します。

不動産投資を始める前に疑問を解決できるため、不安軽減につながるでしょう。

不動産投資のリスクとは何ですか?

不動産投資には、空室リスクや修繕費リスク、金利上昇リスク、家賃滞納リスク、災害リスク、倒産リスク、家賃下落リスク、不動産価値下落リスクなど、特有のリスクがあります。

株式投資やFX、仮想通貨など、他の投資にもリスクは伴います。

他の投資のリスクと比較すると、不動産投資のリスクはある程度想定できるため、事前の対策が可能。

不動産投資のリスクを完全に排除することは不可能です。

しかし事前に対策を講じることでリスクを回避できたり、損失を最小限に抑えられたり、ダメージの軽減が期待できます。

空室リスクについて教えてください。

空室リスクとは、所有している物件の入居者が決まらずに家賃収入が得られないリスクです。

不動産投資の収益は主に家賃収入のため、入居者がいない状態では収入が得られません。

不動産投資ローンを組んで物件を購入した場合は、家賃収入が得られない状態でもローンを返済する必要があります。

本業の給料や貯蓄などの自己資金で賄うため、空室リスクに備えていないと、資金不足に陥ったり、空室が続きマイナスが膨らんで破綻したりする恐れもあるため、注意が必要です。

空室リスクの対策には、人気エリアや通勤・通学がしやすい利便性が高い立地、周辺施設が充実しているなど、賃貸ニーズが高い物件を選ぶとよいでしょう。

不動産投資のメリットを教えてください。

不動産投資のメリットは、家賃収入による安定した収益が期待できることです。

その他にも生命保険代わりや節税効果が得られるメリットもあります。

金融機関から融資を受ける際に団体信用生命保険へ加入することで、万が一の場合には保険会社が不動産ローンの残債を支払います。

家族へ無借金の不動産を残すことができるので、生命保険代わりとしての備えにもなるでしょう。

サラリーマンが副業として不動産投資している場合は、給与所得と不動産所得のマイナス分の損益通算が可能。

また、現金と比較して不動産評価額は2割〜3割程度低くなる傾向があるため、相続税の節税効果が期待できます。

現物資産の不動産は、インフレに強い特徴があるため、インフレ対策としても不動産投資は有効な手段です。

人口減少傾向の日本ですが、今後の賃貸需要はありますか?

日本全体の人口は減少傾向ですが、単身者世帯は増加傾向のため賃貸需要はあります

地方では少子高齢化による過疎化が進んでいる一方で、都市部の人口集中は加速していると言われています。

都市部の賃貸ニーズは高い傾向があるため、空室リスクを回避するには、都市部の物件購入を検討するとよいでしょう。

まとめ

この記事では、不動産投資のリスクについてお伝えしました。

多額の初期費用が必要だったり、特有のリスクが複数あったり、不動産投資にはリスクしかなく、割りに合わないと感じる人も少なくありません。

しかし不動産投資には、家賃収入による安定した収益が期待できたり、インフレ対策に有効だったりなどのメリットがあります。

不動産投資のリスクは、空室リスク、修繕リスク、金利上昇リスク、家賃滞納リスク、災害リスク、倒産リスク、家賃下落リスク、不動産価値の下落リスクの8つです。

不動産投資のリスクは想定しやすいため、事前に対策を講じることで失敗リスクの回避が期待できます。

不動産投資を始める方は事前にしっかり対策して、リスクを最小限に抑えてくださいね。

この記事を書いた人

中央大学の法学部を卒業後、大手不動産会社に入社。顧客のニーズに応じた物件選びや契約手続きのアドバイスを行い、住宅購入者や投資家から高い評価を得る。不動産業界における法律改正に対応するため、不動産法務の研修を受け、専門知識を深める。さらに、宅地建物取引士の資格を取得。2018年には、不動産取引における倫理規定の策定に貢献し、業界の透明性向上に努める。2023年に当サイトの運営を開始。

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